橿原市 たまい整形外科|整形外科 大和八木

橿原市たまい整形外科のTELは0744-23-6200

住所は〒634-0811 奈良県橿原市小綱町5-44

松葉杖の正しい使い方と注意点について

松葉杖は、ケガや手術後の歩行を補助するための重要な道具です。ケガをしている足に決められた荷重以上かからないようにすることや、転倒しないようにすることが大切です。

最初はゆっくりで構いませんので、使い方をしっかり身につけるために繰り返し練習しましょう。

松葉杖の使い方にもいろいろな方法がありますが、代表的なものをお示しします。

松葉杖の正しい高さの調整方法

松葉杖を使用するには、高さを正しく調整することが重要です。高さが合っていないと上手に歩けないだけでなく、肩や腰などに負担がかかってしまう可能性があります。以下の手順で高さを調整しましょう。

手順1:腋(わき)の下と松葉杖の間に5~10cmの隙間を作る

松葉杖は腋ではなく、グリップを握った手のひらでしっかり体重を支えます。

松葉杖の上部が腋の下にぴったりくっついてしまうと、腋窩(わきのくぼみ部分)の神経や血管を圧迫して腕のしびれや麻痺が出ることがあります。“気を付け”の姿勢で脇の下に5~10cmの隙間ができるように調整しましょう。

手順2:グリップの位置を手首の高さに合わせる

手を自然に下ろした状態で、手首の高さに松葉杖のグリップがくるように調整します。これにより、肘を軽く曲げた(約30度)自然な姿勢で松葉杖を握ることができ、腕や肩にかかる負担を軽減できます。

松葉杖の基本的な使い方

ケガをしている足に体重の1/3程度もかけてはいけない場合は2本杖歩行をする必要がありますが、体重の1/3以上かけられる場合は1本杖歩行も可能です。

慣れるまで、杖と両足をそろえた“気を付け!”の姿勢から始めましょう。手足の動きが混乱してわからなくなった場合は、一度“気を付け”の姿勢に戻って最初からやり直しましょう。

また、松葉杖を前に出す距離や足を運ぶ歩幅は短めから練習しましょう。

2本杖歩行(ケガをした足に体重の1/3以上かけてはいけない場合)

“気を付け”の姿勢から始めましょう。

手順1:松葉杖を前に出す

両手で松葉杖を持ち、両松葉杖を少し前に出します。
松葉杖は肩幅より少し広い程度で。

手順2:ケガをした足を前に出す

松葉杖を持った手のひらでしっかり体重を支えながら、ケガをした足を左右の松葉杖を結んだ線まで出します。

手順3:良い方の足をそろえる

松葉杖を持った手のひらでしっかり体重を支えながら、良い方の足をそろえて、“気を付け”の姿勢に戻ります。



1本杖歩行(ケガをした足に体重の1/3以上かけてよい場合)

“気を付け”の姿勢から始めましょう。

手順1:松葉杖とケガをした足を前に出す

ケガをした足側と反対の手で松葉杖を持ち、松葉杖とケガをした足を同じ距離だけ少し前に出します。

手順2:良い方の足をそろえる

松葉杖を持った手のひらでしっかり体重を支えながら、良い方の足を前に出し、両足をそろえて“気を付け”の位置に戻ります。

手順2’:慣れてきたら

良い方の足が“気を付け”の位置を追い越しても構いません。

階段の上り下り時の松葉杖の使い方(1本杖・2本杖共通)

階段の昇り降りは、松葉杖使用時の中でも特に注意が必要です。手すりが使える場合、片手で手すりを握るようにすれば安定しやすくなります。

安全に行うためのコツを以下に示します。

階段を上る場合

手順1:最初に良い方の足から上げる

松葉杖を持った手のひらでしっかり体重を支えながら、良い方の足だけ一段上ります。

手順2:次に杖を良い方の足と同じ段へ

良い方の足にしっかり体重をかけてバランスを保ちながら、杖を良い方の足と同じ段に運びます。

手順3:最後にケガをした足も同じ段へ

体重を松葉杖と良い方の足にしっかりかけて、ケガをした足も同じ段にそろえます。



階段を下りる場合

手順1:最初に杖を一段へ

良い方の足にしっかり体重をかけて松葉杖を一段下に下ろします。

手順2:次にケガをした足を一段下へ

体重を松葉杖と良い方の足にしっかりかけて、ケガをした足を一段下に下ろします。

手順3:最後に良い方の足も下へ

松葉杖を持った手のひらでしっかり体重を支えながら、良い方の足をそろえます。

松葉杖使用時の注意点

安全に松葉杖を使用するためにはいくつかの注意点があります。

姿勢に注意する

松葉杖を使用していると、足元を確認するために体が前かがみになりがちですが、背筋を伸ばして姿勢よく歩くことが重要です。姿勢が悪いと、肩や腰に負担がかかって痛みを引き起こす可能性があります。

無理をしない

特に松葉杖を使い始めたばかりの頃は、長距離の移動や無理な歩行は避けましょう。松葉杖を正しく使うには慣れが必要です。最初は短い距離から始め、徐々に歩く距離を増やすように心がけましょう。

滑りやすい場所には注意

雨の日や雪の日、または滑りやすい床などでは、松葉杖が滑る危険性があります。床面に十分注意して歩くことが重要です。

体調に気をつける

長時間の使用は、腕や肩に負担がかかりやすくなります。腕に痛みや疲労を感じた場合は、無理せず休憩を取りましょう。

松葉杖に異常がないか

定期的に松葉杖に異常がないかチェックしましょう。

松葉杖は使っているうちにネジがゆるんでくることがありますので、ゆるんでいる場合はしめ直してください。

また、松葉杖のゴム部分が摩耗していないか確認し、交換が必要な場合はお知らせください。

松葉杖を使ったリハビリの重要性

松葉杖を使って歩くということは、単なる移動手段だけではなく、リハビリとしても非常に大事です。

怪我をした足に負荷をかけすぎないようにすることは重要ですが、医師や理学療法士の指示を受けて必要に応じてきっちりと負荷をかけていくことで、筋力やバランス感覚を大きく落とすことなく早期に回復することができます。

つまり、松葉杖の正しい使い方を習得することはリハビリの成功にもつながります。

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