五十肩とは?
特に原因となるようなきっかけなく肩の痛みや可動域制限を認める病気で、50歳代前後の方がなりやすいためこのような名前が付いたと考えられます。
症状
最初は違和感程度の場合もありますが、すすむと動作時の肩の痛みのために肩を上げることが困難になったり、じっと安静にしていてもズキズキとつらい痛みを感じたりすることもあります。
いずれ肩の痛みは軽快していきますが、長期間(半年~1年程度)続くことも多いですので、気長に治療に取り組むことが大切です。
なお、痛みがある期間でも安静にしすぎると、痛みが無くなった時にはすでに肩が固まってしまい、十分に上げられなくなってしまうこともあります。
原因
肩関節周囲の加齢にともなう炎症や虚血(血のめぐりが悪い事)が原因と考えられています。
診断
レントゲンでは明らかな異常は指摘できませんが、肩の痛みや可動域が制限されていることなどを診察すれば診断できます。
MRIや関節造影検査で腱板損傷の有無を調べて治療法を選択する場合もあります。
手術加療を考えるほどのつらさや不自由がない方は、腱板損傷があったとしても治療法に違いはないため、MRIや関節造影検査は絶対必要というわけではありません。
治療
保存加療
基本的には保存加療となります。
痛み止めの内服や貼り薬(シップ)などで痛みを和らげ、なるべく動かすようにします。
いずれ痛みはおさまりますが、痛いからと言って全く動かさないでジッとしていると、痛みがなくなった時にすでに固まって腕があげられなくなってしまうこともあります。
痛くない範囲だけで肩を動かしていても効果は十分ではありませんので、動く範囲を大きくするイメージで動かすことが大事です。
痛みを伴う運動を自身で行うことはなかなか難しいでしょうから、リハビリで通院することも有効です。
特に痛みの強い時期は一時的に安静にしたり、肩周囲に注射したりすることもありますので、整形外科で相談しましょう。
手術加療
保存治療でも軽快しない場合や極端に肩の動きが悪くなってしまった(拘縮した)場合は、関節鏡などの手術を勧めることもあります。