膝靭帯損傷とは?
膝には関節を安定させるために骨と骨をつないでいる靱帯が複数あります。
この靱帯が捻挫や外傷などで傷んだり切れたりしている状態です。
症状
痛みを伴い、関節内に出血した血液がたまって膝が腫れることも多くあります。
急性期を過ぎると腫れや痛みがおさまってきますが、靱帯が傷んでいるために生じる膝関節の不安定性が出てくる場合があります。
損傷している靱帯によって症状が違いますが、断裂している(切れている)場合は膝崩れを起こしたり、膝蓋骨の脱臼が生じやすくなったりすることもあります。
また、靱帯が損傷するにはかなりの力が関節にかかっていますので、2か所以上の靱帯が損傷している場合や、半月板損傷や骨挫傷・骨折などを同時におこしている場合もあります。
原因
スポーツや転倒、事故などで膝に強い力がかかることが原因となります。
診断
徒手的に関節の不安定性がわかる場合がありますが、急性期は痛みと腫れのためわかりにくい場合があります。
画像診断ではMRIが有用で、靱帯や半月板等も含めて損傷の有無を診断することができます。
レントゲンで靱帯はわかりませんが、靱帯損傷にともなう剥離骨片が認められる場合があります。
治療
保存加療
痛みに対して痛み止めの内服や、外用薬(しっぷや塗り薬など)を使います。
急性期は安静目的にて装具やギプスで固定することもあります。
靱帯部分が安定するまで負荷をかけすぎないようにしつつも筋力低下させないよう、リハビリなど行います。
膝関節の不安定性が残る場合、日常生活やスポーツ復帰に支障があるだけでなく、将来的に変形性関節症になりやすかったりする場合もあるため、手術加療をおすすめすることもあります。
手術加療
切れた靱帯どうしを縫い合わせる靱帯修復術や、他の場所からとってきた腱や靱帯や人工靱帯などを使って新しく靱帯を作り直す靱帯再建術などがあります。